IPO投資の成功法則とは?

工学博士とデータで学ぶ IPO投資の成功法則

IPO投資の魅力は、初心者でも簡単に実践できること、データ分析しながら効果的に成果を上げられることです。工学博士のたろけんと一緒にIPOを実践していきましょう。 当サイトは情報提供を目的としており特定の銘柄等を推奨するものではありません。投資に当たっては自己責任でお願いします。

証券会社も誤解する? オーバーアロットメント(OA)の正体とは。

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発行株式とはその名のとおり、新規に発行する株式のことで、IPO価格 x 発行株式数が企業の原資になります。

売出株式とはIPO以前の既存株主が売り出す株式のことです。こちらは株主の利益になるだけで、企業の原資にはなりません。

オーバーアロットメントは少々ややこしくて、証券会社が株主に株を借りてIPO時に売り出す株のことで、想定以上の需要があった場合に利用される株になります。こちらの譲渡益は主に証券会社の懐に入ります。

なんのこっちゃ分からないと思うので、図で説明します。



図解 オーバーアロットメント(OA)のしくみ

2014-05-20 18.25.47

BB時の需要が大きくてオーバーアロットメントとなると、まず証券会社は株主から株を借りて、BB申込みのあった投資家に売ります(緑の矢印)。この時点で証券会社は株主から株を借りている状態になります。

借りた株はいつか返さないといけませんが、証券会社は上場後に次の二つの選択肢があります(青の矢印)。


  • 市場価格が下落した場合、市場から株式を買い付けて株主に返す。

  • 株主にあらかじめ決めた金額を支払い、株を返却したことにする。

(1)証券会社はBB時に投資家に株を売っているので、それより安い値段で市場から調達すれば、差額が利益になります。

(2)また、市場価格が高い場合は無理に市場から調達する必要はなく、株主にお金を支払えばいいことになっています。この場合も証券会社は損をすることがありません。

株主としては株が上がったのに決められた分のお金しか手に入れられないので、場合によっては不利になりますが、市場価格を下支えする効果がありますから、その後の底堅い株価形成が期待できます。大抵は大株主ですから、その後の株価上昇は悪い話ではありません。

もちろん投資家にとってはIPO時により多くの割り当てが期待できるメリットがあります。

という、株主、証券会社、投資家それぞれにメリットのある仕組みになっているんですね。

こんなにメリットのある制度なら、(IPOは当たりにくいんだから)もっと沢山OAしたらどうか?という意見もあるかもしれませんが、発行株式数の15%が上限と決められています。株式のオプション売り(プット買)と同じですから、そういう制限があるのかな、なんて思いますが。

時折、OAの効果を逆に理解されている方がおられるようですが、OAはあくまでも株価を下支えするものですのでお間違えの無いよう。

OAで売りだされるのはあくまで公開「前」ですので。

参考サイト:金融・経済用語辞典:オーバーアロットメントとは



証券会社も理解していない!?

実はオーバーアロットメントについて某証券会社に問い合わせたことがありました。その証券会社のHPに「オーバーアロットメントにより上場株式数が変更になることあります」と書かれていて、それはおかしいだろと思ったからです。


上記の説明のとおり、オーバーアロットメントは株を借り売る行為であり、上場株式数には全く影響しません。

もしそんなことで上場株式数が変わるようであれば、空売りするだけで上場株式数が変わることになってしまいます。

そんな質問を証券会社にぶつけてみたところこんな回答が…

2014-05-29 11.04.11

あくまでも変更されるとのスタンス。上場株「総」数が…と苦しい説明を展開していますが、上場株数といえば総数以外にないでしょ。

(可哀想&業務妨害と思われてもイヤなのでこれ以上質問するのは止めました)
ちなみに上場株数については発行済株式数と上場株式数って?|教えてgooなどでも熱い議論が展開されています。

実際分かりにくいですからね〜。


確かにあり得ない話ではなくて、例えばオーナーが持っている上場してない優先株等を普通株に転換して上場させれば、上場株数はその分増加しますが、残念ながら上でもはっきりと「普通株を借りる」と回答されているので、そんな理由でも無いようです。

上場後「普通株」は全て市場で売買できるのでオーナーが所有する固定株も一般投資家が売買する浮動株も全て上場株です。だからこそ、一定期間オーナー所有の株売却を禁じるロックアップなどという制度も存在するわけで。


ということで、証券会社のサポートセンターのお姉さんですら混乱を招く分かりにくい制度のOAですが、僕ら投資家は「OAが実施されたら分配数が増えてラッキー」というところだけしっかり覚えておけばいいと思います。


これだけ読ませて結論そこかい!


というツッコミは随時お受けします(笑)

 

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プロフィール

工学博士、ファイナンシャルプランナーの個人投資家、林 健太郎です。

株式を中心に、投資歴10年以上の工学博士。科学的、分析的なアプローチで、負けにくい投資を得意としています。

普段はインデックス投資、オルタナティブ投資が主体ですが、IPOは「新しく勢いのある企業」を勉強させて頂くために実践しています。

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